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標高2200mから歩いて海へ 栂海新道 アプローチ編


栂海新道(つがみしんどう)は、新潟県糸魚川市親不知付近から新潟県-富山県境に沿って稜線をたどり、朝日岳に至る登山道。上部にはコメツガの林が続くため、栂の林と海(日本海)を結ぶ道とのとの意味で、本道を拓いた小野健により名付けられた。『wikipedia

蓮華温泉から吹上のコルへ

2021年九月某日

私はこのシーズン蓮華温泉で命を繋いでいたので、栂海新道へのアプローチのために蓮華朝日岳登山道を利用した。

赤線が本記事で辿るルート。まずは栂海新道へ入る。

午前2時半前に起床。数日間入れなくなる温泉に入り体温を無理やり上げて、行動食を寝起きで拒否反応を起こす体に無理やり突っ込む。

2時50分。蓮華温泉を定刻より少々早めに出発した。明るくなるまでは特筆すべきことが何もないので花園三角点まで標柱の写真を並べる。

3:04 野鳥の森標柱 通過

3:13 兵馬の平湿原標柱 通過

3:15 兵馬の平朝日岳分岐 通過

3:32 瀬戸川通過 暗闇に響く川の轟音は命の危険を感じさせる。
4:10 白高地沢にて小休止 標高1304m

本日の最低地点である白高地沢から、最高地点吹上のコルまでは約1000m近くの標高差がある。すでにボリュームを感じるが、まだ栂海新道には一ミリも触れていない。

5:10頃 ヘッドライトの光が薄くなり徐々に東の空が焼ける。
5:30頃 花園三角点手前の木道階段地獄にて無事足をつる。

見上げると曙。一呼吸置いて振りかえればそこは・・・
花園三角点 5:35着

花園三角点 標柱 標高1754m

更に激しく燃える空

花園三角点は水場もあり地形的にもテン場に最適な立地だが、幕営禁止である。

花園三角点の水場入り口。木道に水と書いてある。

そして、あれほどまでに空を覆いつくしていた無数の炎は
一つの光へと収束していった。

5:45

薄暗かった紅葉は一瞬のうちに染め上げられる。

3時間前にいた場所はただのジオラマと化した。
水場で必要な水を確保する。

5:55 補給完了。花園三角点を発つ。
吹上のコルへ

6:11 左奥に花園三角点を望む。

ハイマツにちらほら紅葉が混ざる。太陽が隠れたのであまり色鮮やかに見えない。
6:22 青ザク 通過
標高とともに紅葉の彩度も上がるが、日当たりが悪く綺麗に撮れなかった。

6:36 五輪の森標柱 通過 ボロボロの標柱は恐らくクマの仕業である。

かわいそうな看板
五輪の森は主に針葉樹林で構成されている。

とても状態の良いナラタケ(食用キノコ)を見つけた。後続の登山客の餌食となるだろう。

この写真では伝わりにくいが、とても美しく綺麗な森だった。

森を抜けると森林限界も近くなってくる。
水場らしきものを発見。すかさず補給する。
展望台らしきものから。山の見え方で標高が高くなってきたことを感じる。

とても入って楽しめるような水温ではなかった。

吹上のコルはすぐそこへ・・・
吹上のコル 8:00着

左が蓮華温泉方面、奥が朝日岳方面。

標高2251mの吹上のコルから海抜0mまで、累積標高差約4000m、距離約27km。

かつてその稜線に憧れた者達の軌跡を辿る旅が始まる。

心がきれいな人には読める看板。

手前に見えるは朝日池、奥の街並黒部市街。日本海富山湾)を挟んだ向こうは能登半島

駒の小屋Tシャツで記念撮影。

吹上のコル 栂海新道を圣て 親不知.日本海へ さわがに山岳会